重要文化財
年代 | 平安時代(11世紀) |
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材質・技法 | 彩箋墨書 |
サイズ(cm) | 縦27.5 横45.3 |
三十六歌仙の一人で、世に堤中納言とも呼ばれた藤原兼輔(877~933)の私家集を書写したものである。もとは冊子本であったが、現在は改装されて巻物や掛軸あるいは手鑑などに断簡として遺る。この一巻には6首を収める。書は繊細かつのびやかで、流麗な筆致が雅な王朝を偲ばせる。この温雅な美意識は、紫と藍の繊維をあたかも空に浮遊する雲のように漉き込んだと飛雲の料紙にも現れている。実際の書写年代は伝承筆者にあげる紀貫之の時代から1世紀以上下った11世紀中頃と考えられる。